「会議がマンネリ化していて、新しい発想が生まれない」
「従業員のエンゲージメントを高め、チームの一体感を醸成したい」
そんな課題を抱える企業が、新たな一手として注目しているのが「リゾートミーティング」です。
本記事では、リゾートミーティングの基本的な考え方から、その効果、成功に導くための企画方法までを網羅的に解説します。 経営層や人事・総務担当者、チームの活性化を目指す全てのリーダーにお役立ていただける内容です。
▼この記事でわかること
・リゾートミーティングの定義や目的、効果
・「単なる旅行」で終わらせないための成功のポイント
・具体的な企画手順とプログラム例
・参考となる導入事例
リゾートミーティングとは
リゾートミーティングとは、その名の通り、リゾート地という特別な非日常空間で行う会議や研修、ディスカッションのことです。
オフィス外の場所を選ぶ「オフサイトミーティング」の一種ですが、特に心身のリフレッシュや五感を刺激する環境を重視する点が特徴です。
美しい自然や上質な空間がもたらす開放感が、参加者の心を開き、創造性や質の高い対話を引き出すことを目的としています。
通常のオフサイトミーティングとの違いは?
一般的なオフサイトミーティングは、主に「日常業務からの物理的な隔離」による集中力の向上や率直な意見交換を目的とします。
一方でリゾートミーティングは、それに加えて「リフレッシュ」「インスピレーション」「インセンティブ(報酬)」といった付加価値を重視します。
豊かな自然環境や充実したアクティビティ、その土地ならではの食といった要素が、参加者の満足度を高め、ポジティブなエネルギーを組織に還元する効果が期待できます。
リゾートミーティングの主な目的
リゾートミーティングは、企業の重要な戦略会議から、チームの一体感を高めるチームビルディング、従業員への報奨旅行(インセンティブトリップ)まで、多様な目的で導入されます。
美しい環境の中でリラックスして対話することで、普段は出にくい大胆なアイデアや本音を引き出し、組織の新たな可能性を引き出すきっかけづくりが、大きな目的のひとつです。
また、ウェルビーイング経営の一環として、従業員の心身の健康とエンゲージメント向上を目指す手段としても注目されています。
リゾートミーティングで得られる効果
目的を持って設計されたリゾートミーティングは、個人と組織の双方に計り知れない価値をもたらします。心と体を解放し、質の高い対話を生み出すことで、組織に内側からの変革を促します。
個人への効果
まず個人への効果とし、リゾートという特別な環境は、参加者一人ひとりにポジティブな変化をもたらします。 心身のリフレッシュ効果により、日々の業務で蓄積した疲労が癒され、集中力や仕事への意欲が回復します。
また、開放的な雰囲気の中で、自分の考えを素直に表現する経験を通じて、自己肯定感や主体性が高まります。普段あまり接点のない経営層や、他部署のメンバーとの対話は、新たな視点や気づきを与え、個人の成長を加速させます。
▼個人への効果のポイント
- 心身がリフレッシュされ、モチベーションが向上する
- 新たな視点や気づきを得て、視野が広がる
- 自己肯定感が高まり、主体性が育まれる
組織への効果
個人のポジティブな変化は、組織全体へと波及していきます。 共通の体験を通じて生まれる一体感は、部門間の壁を取り払い、円滑なコミュニケーションを促進します。経営層が自らの言葉でビジョンを語り、従業員がそれに応えるフラットな対話の場を持つことで、企業理念や戦略の浸透が深まります。
さらに、「従業員を大切にする会社」というメッセージが伝わることで、従業員エンゲージメントやロイヤリティが向上し、優秀な人材の定着(リテンション)にも繋がります。結果として、組織全体の生産性や創造性が高まり、企業の持続的な成長を支える土台となるのです。
▼組織への効果のポイント
- 部門を越えた一体感が醸成される
- ビジョンや戦略への共通認識が深まる
- 従業員エンゲージメントが向上し、人材定着に繋がる
リゾートミーティングを成功させる5つの重要ポイント
リゾートミーティングの最大の懸念点は、「ただの楽しいイベントで終わってしまう」ことです。そうならないために、企画段階から意識すべき5つのポイントをご紹介します。
目的とゴールを徹底的に共有する
「なぜリゾート地でやるのか?」という目的を、参加者全員が腹落ちするまで説明しましょう。「リフレッシュも大事な目的の一つだが、最終的に『この状態』を会社に持ち帰りたい」というゴールイメージを共有することが、単なる遊びとの境界線を引きます。
経験豊富なファシリテーターを立てる
場の雰囲気作りに長け、議論を脱線させずに目的地へ導く「ファシリテーター」の存在が不可欠です。特にリゾートでは気持ちが緩みがちになるため、社内の適任者、あるいは外部のプロに依頼することを強く推奨します。
心理的安全性を確保する「グラウンドルール」を設定する
会議の冒頭で、全員が安心して発言できるためのルールを共有します。これにより、役職や立場を気にしない本音の対話が生まれやすくなります。
ルール例:
・どんな意見も否定しない
・発言せず、聞くだけの参加はNG
・役職ではなく「さん」付けで呼び合う
・話が脱線してもOK。ただし時間を意識する
「非日常」と「日常」を繋ぐプログラムを設計する
リゾートでの気づきや学びを、会社に戻った後の「具体的なアクション」に落とし込む時間を必ず設けましょう。「明日から何をするか」を個人・チーム単位で宣言し、後日その進捗を確認する場を設定することで、イベントを一過性で終わらせません。
詰め込みすぎない「余白のある」スケジュールを
リゾートミーティングの良さは、偶発的な会話やリラックスした時間から生まれるひらめきにもあります。スケジュールを詰め込みすぎず、参加者同士が自由に交流できる時間や、一人で自然と向き合い思考を深める「余白」を意図的に作りましょう。
成功するリゾートミーティングの企画手順
上記の5つのポイントを踏まえたうえで、実際にどのようなステップでリゾートミーティングを企画すればよいのか。
ここからは、成功率を高めるための基本手順を3つのフェーズ【事前準備・当日運営・開催後のフォローアップ】に分けて解説します。
【1】事前準備
開催の目的を明確にする
まず最初に取り組むべきは、「なぜ今回、わざわざリゾートという非日常の場を選んでミーティングを行うのか?」という問いにしっかり答えることです。
これは単に雰囲気を変えたいという曖昧な動機ではなく、組織の中で乗り越えたい課題や得たい成果に直結した理由である必要があります。
経営理念の浸透やチームビルディング、新規事業の構想など、目的が具体的であるほど企画全体の軸が定まり、参加者の行動変容にもつながります。
✅ポイント
・「リゾートでやる意味」が目的から説明できる状態にする
・目的が明確であればあるほど、参加者の納得度も高まる
メンバー構成と人数を決める
誰が参加するかは、ミーティングの空気と成果に直結します。
たとえば、部門を越えた一体感を重視するなら部署横断で構成し、ある特定の層の課題に焦点を当てるなら若手社員や管理職などに限定するなど、目的に応じた人選が求められます。また、人数も非常に重要です。
多すぎると発言しづらくなり、少なすぎると多様性が失われてしまいます。少人数のグループを複数編成するなど、対話が生まれやすい形を意識しましょう。
✅ポイント
・目的に応じた人選で、対話の質を高める
・対話を促す適正人数を意識(4〜6人規模が理想)
プログラムとテーマを設計する
リゾートミーティングの醍醐味は、非日常空間ならではの「深い問い」と「自由な発想」が交わる時間を生み出せる点にあります。
表面的なテーマではなく、参加者が思わず本音を語りたくなるような問いを据えることで、対話の深さと当事者意識が格段に変わります。プログラム構成としては、アイデアを広げる「発散」と、方向性をまとめる「収束」、さらに行動への落とし込みまで含めた「行動化」の流れを意識することで、ミーティング後の実行力も高まります。
また、自然の中での散策や温泉、アクティビティなど、リゾートならではの余白もプログラムに組み込むと効果的です。
✅ポイント
・テーマは「考えたくなる問い」を中心に据える
・発散→収束→行動化の流れで構成する
・リゾート特有の余白(自然・温泉・体験)を活かす
会場と日程を選定する
どこで、いつ実施するかは、成果に直結します。会場選びでは、単に景観が良いというだけでなく、対話のしやすさやアクセスの良さ、プライベート感、動線の確保といった実務面も重視しましょう。
日程も重要です。金曜〜土曜、または日曜〜月曜など、業務と大きくぶつからない日程を選ぶと参加者も集中しやすくなります。食事や移動、休憩の時間も含めて一つの流れとして設計し、「集中とリフレッシュのリズム」が自然に生まれるように整えるのが理想です。
✅ポイント
・会場は「雰囲気+機能性」で選ぶ
・スケジュールは「集中→リフレッシュ→再集中」を意識
【2】当日運営
最初の空気づくりを丁寧に行う
ミーティング当日の雰囲気は、最初の30分で決まります。参加者が自由に発言できる空気をつくれるかどうかが、その後の成果を大きく左右します。
ファシリテーターが「ここでは自由に話してよい」「正解を出すことが目的ではない」ことを冒頭で明言し、軽いアイスブレイクなどで緊張を和らげることで、場は一気に開かれていきます。
✅ポイント
・導入で「話していい場」であることを伝える
・アイスブレイクで心と場をほぐす
対話を深める進行を設計する
場の空気が整っても、対話が深まるとは限りません。ファシリテーターには、問いの立て方や話し合いの構造づくりなど、進行力が問われます。
全員が発言しやすくなるように、ペア対話や小グループでの共有、ポストイットを使った可視化などを取り入れましょう。書いてから話すプロセスを挟むと、内向的な人でも参加しやすくなります。
✅ポイント
・誰もが話しやすい流れを用意する
・書く→話すのプロセスで発言のハードルを下げる
【3】開催後のフォローアップ
体験を言語化・共有する
ミーティング後に感じたことを言語化して共有することで、学びや気づきが個人の中で定着し、チームの中でも共有財産になります。
その場での共有でも、終了後のレポートや写真を使った振り返りでも構いません。大切なのは「参加した意味」を自分で言葉にすることです。また、参加できなかったメンバーにも内容を伝えることで、社内全体の温度感を揃えることができます。
✅ポイント
・気づきや学びは「言語化」して初めて定着する
・写真付きのレポートやスライド共有も効果的
行動に落とし込む仕組みをつくる
どれだけ素晴らしい時間だったとしても、日常業務に戻って何も変わらなければ意味がありません。
ミーティングの最後には「明日から何を始めるか」を一人ずつ宣言したり、後日あらためて進捗を確認する時間を設けたりと、行動につながる設計をしておきましょう。
✅ポイント
・終わり方が変化を生む
・実行を後押しする仕組みを事前に設計する
アンケートで本音の声を集める
最後に、参加者の率直な声を集めることも大切です。満足度だけでなく、印象に残った時間や改善の余地、次回への期待などを聞くことで、次の企画の質が高まります。
匿名形式のアンケートであれば、建前抜きのフィードバックが得られやすくなります。
✅ポイント
・アンケートは当日中に回収するのがベスト
・本音を引き出すには「匿名形式+自由記述」
このように、事前・当日・事後の3つのフェーズを丁寧に設計・実行することで、リゾートミーティングは「ただのリゾートイベント」から「組織を変えるきっかけ」へと進化します。
リゾートミーティングの導入事例(ITベンチャーA社)
具体的なイメージを持っていただくために、ある企業の成功事例をご紹介します。
社員数の急増に伴い、社内コミュニケーションに課題を感じていたITベンチャー企業A社では、部署間の連携不足や、経営陣からのビジョンが現場に浸透しないという問題を抱えていました。特に、業務の専門性が高まる中で部門間の壁が厚くなり、セクショナリズム(縦割り意識)が組織の一体感を損ねていたのです。
こうした背景を受け、同社は社内の風通しを改善し、全社員が「自分ごと」として会社のビジョンや計画を捉えられるようにするための取り組みとして、リゾートミーティングを導入しました。
場所には自然豊かで落ち着いた雰囲気のリゾート温泉旅館を選び、1泊2日のプログラムを設計。参加者は、各部署のマネージャーと次世代リーダー候補など、部門横断の計20名で構成されました。
1日目は、まず経営陣から次期中期経営計画についての説明を行い、その後、部署を混ぜたグループに分かれて、自社の強みや弱みについて議論するワークショップを実施しました。夜はバーベキューや温泉を通じて、自然な交流と信頼関係の構築を図る時間を設け、日常の肩書きを外したフラットな対話が生まれるよう工夫されていました。
2日目には、前日の議論を踏まえたうえで、「計画を実行に移すために何をするべきか」をテーマに、具体的なアクションプランを検討。最後に、それぞれのチームによる発表と、個人としての「明日から何をするか」を言語化し、全体の場で宣言するという流れで締めくくられました。
リゾートミーティング導入後の変化は?
このリゾートミーティングを通じて、参加者の間には明らかな変化が生まれました。これまで業務上のやり取りしかなかった他部署のメンバーと、プライベートに近い空間で会話を交わすことで、心理的な距離が大きく縮まりました。
また、経営層の想いや考えを直接聞いたことで、「経営計画は上から与えられるもの」ではなく、「自分たちが担うべきビジョン」として受け止める当事者意識が育まれたのです。
ミーティング後は、社内でのやりとりが格段にスムーズになり、現場から積極的な改善提案が出るようになるなど、確かな成果が見られました。
参加者へのアンケートでも、「非常に満足した」「また参加したい」という声が多数を占め、エンゲージメント向上にもつながる結果となりました。
このように、ただの会議ではなく「リゾートで行うからこそ得られる変化」が、A社の組織文化を大きく前進させた成功事例となっています。
リゾートミーティングに適した開催場所は?
リゾートミーティングの成否を大きく左右する要素のひとつが、「どこで開催するか」です。
ただ景観が美しいだけでなく、非日常性と機能性が両立しているか、チームでの滞在・対話・アクティビティがしやすいかという視点で選ぶことが重要です。
まず、非日常感のあるロケーションであることは大前提。海・山・森林といった自然環境に囲まれた場所は、思考のリセットや心の開放につながりやすく、対話の質を高めてくれます。
さらに、滞在のしやすさ(宿泊・食事・アクセス)、ミーティング設備の充実度、チームでのアクティビティの実施可否などもポイントです。「話す・動く・感じる」が一連の流れで体験できる場であれば、ミーティングの価値は格段に高まります。
候補地がリゾートミーティングに適した場所かどうか、下記のチェックリストで確認してみましょう。
▼リゾートミーティングに適した場所のチェックリスト
☑️ 豊かな自然環境がある(海、山、森林など)
☑️ 会議設備と宿泊施設が同じ敷地内にある or 徒歩圏内
☑️ グループで使いやすいラウンジや共有スペースがある
☑️ チームビルディングに使えるアクティビティや施設がある
☑️ 空港や新幹線駅からのアクセスが良い(送迎ありだとなお可)
☑️ 食事や温泉など“癒し要素”も充実している
リゾートミーティングなら九州・宮崎シーガイアがおすすめ!
ここまでリゾートミーティングの成功に向けた企画・設計の流れ、場所選びのポイントについて解説してきました。
そこで今回リゾートミーティングの開催地としておすすめしたいのが、九州・宮崎にある「フェニックス・シーガイア・リゾート」です。

その魅力は、“非日常”と“会議環境”が高いレベルで融合していること。単なる保養地ではなく、組織変革やチーム再構築に本気で向き合いたい企業から、リゾートミーティングの開催地として高く評価されています。
シーガイアがリゾートミーティング開催地に選ばれる理由
圧倒的な非日常ロケーション
九州宮崎に位置するシーガイアは、太平洋と黒松林に囲まれた開放的な空間が、日常の役割や肩書きを脱ぎ捨て、率直な対話や創造的な発想を引き出す場所として最適です。
多彩なアクティビティ×会議施設
ゴルフ・セグウェイツアー・オリエンテーリングなどのチームアクティビティと、小規模の会議室から、大人数が入るカンファレンスルームまで様々な会場があり、「午前は会議・午後は体験」のようなメリハリのあるプログラム設計が可能です。
“心と体”を整える食と癒し
地元食材を活かした料理や、温泉・スパ・フィットネスなど、体調や気分を整える要素が満載。チームの緊張を解き、自然な会話と信頼形成を促します。
充実のサポート体制で幹事の負担も軽減
宿泊・会議・研修・アクティビティまで、専任スタッフがワンストップでコーディネートいたします。初めての企画でも安心して任せられます。
宮崎シーガイアでは、経験豊富な専門のセールスチームが、貴社のリゾートミーティングを成功に導くためのお手伝いをいたします。 「こんな会議は可能か?」「予算に合わせた提案をしてほしい」など、どんな些細なことでも構いません。お客様の課題やご要望に合わせて、最適なプログラムをオーダーメイドでご提案します。ぜひお気軽にお問い合わせください。